■バイオハザード予防市民センター声明

日本国民の「食の安全・安心」より

米政府への追従を優先させた米国産牛肉輸入再開決定に反対する

       2006年7月3日

バイオハザード予防市民センター 代表幹事 本庄重男 新井秀雄

 

政府は6月、今年1月に脊柱の混入により停止していた米国産牛肉の輸入を再開することを日米両政府の合意により正式決定した。米政府が認定した対日輸出の食肉処理施設35ヵ所とこれらの施設に牛を出荷する農場を「事前査察」し、問題がなければ7月下旬にも輸入を再開する方針である。

 

 当センターは、BSE検査の緩和について「生命の尊重と予防原則の立場からBSE検査の緩和に反対し全頭検査の継続を求める」声明(049月)の他、2度の意見書を食品安全委員会に提出し、1月の脊柱混入発覚の折りには「中川農相はじめ関係者の辞職と米国産牛肉の安全性について一から検証のやり直しを求める」声明(062月)を発表してきた。

 

 これらの見解及び国民の「生命の権利」「食の安全・安心」の保障が政府の第一の責務であることに照らして、今回の輸入再開決定は、国民への説明責任を含む政府の責務を放棄したものであり米政府への追従を優先させたものといえる。

当センターは米国産牛肉の輸入再開決定に強く反対を表明するとともに、改めて以下のことを表明するものである。

 

1.この間明らかになった米国の検査体制及び施設作業の杜撰さは、「事前査察」などで解消されるものではない。

政府は、生命、健康に関わるリスクを国民、消費者に一切押し付けない立場から、以下の施策を実施すること。

 

@ BSE対策は、全頭検査、飼料規制、特定危険部位の除去を基本とすること。

A 消費者の食の選択権を保障し、加工品・外食も含めて原産地表示を義務付けること。

B 入国時に、危険部位の混入が100%ないことを確認できる検査方法を確立し実行すること。

C 米国関連施設の「事前査察」は、不定期の抜き打ち検査とし、継続的、計画的に実施すること。

 

2.政府は、人権や基礎データの欠如などを無視した「リスク科学論」を排し、科学的解明のために以下の未解明事項に関する研究、検討に精力的に取り組むこと。

 

 @ 体内での正常プリオン遺伝子発現部位および正常プリオンタンパクの機能

 A 正常プリオン遺伝子の変異(異常化)の機序

 B 異常(BSE)プリオンの感染経路とBSE発症要因

 C 体内でのBSEプリオン蓄積部位(細胞、組織、臓器)

 D BSEプリオン蓄積量と発症の関係

 E いわゆる危険部位以外の安全性(BSEプリオンの存否)

 F 現在の検査法での検出限界以下の牛の安全性

 G 人でBSEプリオンの感染が成立するときの最小感染量、vCJDが発症するまでのBSEプリオンの体内動態、BSEプリオン蓄積部位と蓄積量と発症の関係および感染から発症までの潜伏機関

 H 輸血等を介して人から人へのBSEプリオン伝播の危険性

 I 牛解体時およびいわゆる危険部位除去時の作業の安全性確保と検証

 J トレーサビリティ(生産履歴追跡可能性)の確保と検証

                                   以上