■新井秀雄さんの裁判 上告棄却!

本田孝義(新井秀雄さんを支える会 事務局長)

 

 2007年の年の瀬がおしせまったところに、残念なニュースが飛び込んできました。

 本会代表幹事でもあります、新井秀雄さんが国に対しておこしていました裁判の最高裁判所の決定が1225日に出されました。上告棄却、でした。

以下、最高裁の決定を記します。

 

第1         主文 

1 本件上告を棄却する。

2 本件を上告審として受理しない。

3 上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。

第2         理由 

1上告について

民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民訴法3121項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。

2上告受理申立てについて

本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法3181項により受理すべきものとは認められない。

 

新井秀雄さんは当時現役の国立感染症研究所の主任研究官として、バイオハザードの危険性を先駆的に警告してこられました。当会の活動におきましても、新井秀雄さんの知見が随分有益であったことはご承知の通りですし、ひいては多くの国民にとりましても傾聴すべき示唆が数多くあったかと思います。新井秀雄さんは所内で見聞きされてきた、具体的な事例から「科学者として」という書物を書かれたのでした。この本と本を取り上げた週刊誌の記事のある部分が「幹部職員を誹謗中傷」し、「事実を歪曲」したとして書面による「厳重注意」処分を受けたのです。

しかしながら、2001125日の処分撤回を求めた裁判提訴以来、法廷で主張してきたのは言論の自由に基づき、感染研のあり方、幹部職員のあり方を「批判」してきたということでした。バイオハザードはひとたび起きれば取り返しの付かない、大きな被害をもたらします。被害を未然に防ぐためには、感染研のあり方を批判するのは当たり前のことです。しかしながら、司法の前では新井さんの主張は認められませんでした。

 おりしも今年は食品の「偽装」が1年を通じて大きな話題でした。それらの多くは内部告発によって発覚しています。内部からの批判は国民の生命を守るためにも必要なことであることが明らかになったのではないでしょうか。この度の最高裁の判断は時代に逆行し、批判を封じ込める役割をはたすようで怒りを禁じえません。