新型コロナウィルス感染に関する見解

バイオハザード予防市民センター

2020225

 

1.はじめに

 今度の新型コロナウィルスの感染流行を受けて、発生源を生物兵器とする説がネット上で流布しているが。これは一部のイデオロギー色の強いサイトの主張にリベラル層が乗っかった陰謀論で根拠がない。ただし、新型コロナウィルスの正体が明らかになっていない現状では実験室由来のものであるという可能性も排除できない。新型コロナウィルスの正体に関しては、内外の研究成果が揃うのを待ち、さしあたりの問題として今回の感染流行に対する政府の対処やマスコミの姿勢などの問題点や法整備上の問題などがある。この問題については、別途に発表したアピールを参照されたい。ここでは感染流行の現段階でのコロナウィルス新型肺炎問題に関する当センターの見解を示す。

 

2.検疫体制について

今回のコロナウイルスによる新型肺炎(COVID19)について連日ニュースになっているが、流行の本格的解明にまでは至っていない。200211月に突然中国で流行したSARSのときは、幸い本邦への流行波及は見られずに8ヶ月程で終焉し、それ以降今日まで、該ウイルスは地上から消えてしまったかにみえる。COVID19の場合は、SARSと違って、感染流行の速度が速いためか、検疫の態勢が整う前に入国した大勢の旅行者等によって国内に侵入してしまったのかもしれない。報道によれば、SARSに比べて病原性も強くなく、感染してもしばらくは発熱等の症状がみられないこともあるので、入国の際の検疫(体温チェック等)による水際での侵入阻止は極めて困難であることを露呈した。感染源(コウモリ等)の追求やバイオハザード(バイオ実験室由来等)の可能性などいろいろ言われているが、今のところいずれも納得の行く根拠はみられない(これに関して、以下のURLを挙げておくので参照されたい)。

 

https://news.livedoor.com/article/detail/17811387/

 

3.新型コロナウイルスとは何かーインフルエンザとの比較

★コロナウイルスの特徴 コロナウイルスは、一般的には風邪症状を引き起こす呼吸器系ウイルスである。我々の身の回りのあらゆる動物に感染する。主に冬季に流行する。低温で流行しやすいのはインフルエンザと同じ。ヒトに日常的に感染を起こしやすいのは、4種類が知られている。そのほとんどは軽症で済んでしまう。

新型コロナウイルスの特徴 稀に強毒性コロナウイルスが生まれる。動物を介してヒトに侵入した場合に発生しやすい。その一つが、今年中国武漢から広がった新型コロナウイルスであり、媒介動物はコウモリとみられている。感染から発症までの潜伏期間は約1週間。インフルエンザの約2・5倍の長さ。潜伏期間内でも他人に感染を広げるらしい。感染力、感染状況においては季節性インフルエンザとほぼ同等とみてよい。その根拠として、国内で、タクシー内の密閉空間での感染、それと屋形船内の密閉空間での感染拡大があげられる。これはインフルエンザの流行パターンとほぼ同じ。ダイヤモンドプリンセス号のような密閉空間を長期間続けるのは好ましくない。むしろ窓を開け払って換気をよくすることが必要。密閉空間はウイルスを増やす培養器に等しいからだ。

  2月16日(日)のNHK報道によると、初期症状は鼻水、のどの炎症、体のだるさで、通常の風邪と同じ。しかし症状の経過を見ると、重症化率が非常に高い。82%は軽症だが15%が重症、3%が死亡だ。これは潜伏期間の長さと関係がある。その期間内に肺近くにまで達し、早期に肺炎を引き起こすものと思われる。新型ゆえに、人に免疫抗体がないことが根底にある。

  検査対象がこれまでのところ範囲が狭いので広げる必要があるという。検査自体もやや込み入っていて、検査範囲の拡大がそう簡単にできることでもないらしい。子供への感染が少ないのは、これまでの強毒性コロナウイルスと同様である。 2020年2月16日時点で、中国ではすでに感染者が約7万人、死者は2000人に迫っていて過去2回の事例をはるかに超えた。

過去に確認されている強毒性コロナウイルス発生は次の二つである。

 ⓵SARS―CoV(重症急性呼吸器症候群) コウモリのコロナウイルスがヒトに感染し、重症肺炎を引き起こすようになったとみられている。

 2002年に中国広東省で発生し、2002年11月から2003年7月までの間に30以上の国、地域に拡大した。WHOによると、2003年12月時点で、疑いを含むSARS患者は8069人、うち775人が重症肺炎で死亡した。致死率9・6%。

 ②MERS―CoV(中東呼吸器症候群) ヒトコブラクダに風邪症状を引き起こすコロナウイルス。種の壁を越えて人に感染すると重症化するという。2012年にサウジアラビアで最初に発見された。これまでに27か国で2494人が感染、うち858人が死亡。致死率34・4%。

★手洗い予防法の愚策

 毎年のインフルエンザ対策でもそうだが、今回の新型コロナ対策としても、専門家らは口をそろえて「手洗い予防法」を唱えている。当センターではこれまで再三指摘してきたことだが、上気道感染症で手を洗ってもほとんど意味がないし、口から感染するデータは何も示されていない。外出先でしょっちゅう手洗いなどできるはずはないし、洗っても次々と汚れたものに触れるのが日常生活だ。それを唱える方に贈る言葉、それは、「お札を数えたらすぐその場で手を洗いなさい」。

 

3.中国人差別への懸念

新型コロナウィルが中国・武漢で爆発的に広まったことにより、中国人への差別も広がった。一部ではあったが、「中国人お断り」という張り紙をしたお店も現れた。また、インターネット上には中国人を蔑視する投稿が相次いだ。そうした投稿の一つが、「新型コロナウィルス生物兵器説」だった。特徴としては、幾つかの「事実」を都合よく切り貼りし、さも新型コロナウィルスが生物兵器であるかのような類推をする、というものだった。投稿内容だけを見ると、中国人蔑視には見えないが、その投稿をした媒体・人の主張を少しさかのぼってみると、常日頃から中国人を蔑視していることが分かる。困ったことに、普段、人権を尊重するような人が平気でこうした投稿をSNSで拡散していることが見受けられた。新型コロナウィルスがバイオハザードによって広まった、という可能性はゼロではないが、様々な情報が飛び交う時代だからこそ、情報を精査することが求められている。未知の感染症は、私達の恐怖心を刺激し、差別心を煽る。私達には、間違った隔離政策によってハンセン病患者を差別し続けてきた歴史があることを、今一度、思い出すべきだ。