「安全確保 強く要請」

感染研訴訟で東京高裁判決

実験差し止めは認めず

 国立感染症研究所(旧国立予防衛生研究所、東京都新宿区)の周辺住民らが国に危険な病原体を使った実験の差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決が29日、東京高裁であった。大藤敏裁判長は住民の請求を棄却した一審判決を支持、住民側の控訴を棄却したが、「感染研に徹底した安全管理体制の構築や安全確保の実践を改めて強く要請する」と述べた。

 大藤裁判長は「設備や機器の欠陥や安全管理体制の不備は特段認められず、病原菌が周辺に漏出し住民らが感染する具体的な危険性があるとは言えない」と認定。その上で「ひとたび病原体が外部に漏出する事態が発生すれば、最悪の場合には甚大な被害が起こる危険性がある」と指摘し「万全の施策で未然防止に努めるべきだ」と住民感情に配慮した意見を述べた。
(日本経済新聞 2003年9月29日夕刊)



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