病原体、内規違反し培養経産省所管生物センター

幹部には口止め

 経済産業省所管の独立行政法人・産業技術総合研究所の特許生物寄託センター(茨城県つくば市)が、人に健康被害を及ぼす恐れのある病原体を内規に違反して培養していたことが、17日明らかになった。

 職員への感染は報告されていない。産総研は内規違反への対応を求めた幹部に外部へ情報を漏らさないように求めていたほか、同省も2001年には内規違反を把握していたが、公表していなかった。

 産総研によると、こうした病原体については、世界保健機関(WHO)が危険度に応じて4段階で感染防止対策を定めた基準を定めている。同センターは高度な感染防御態勢が十分整っていないとして、02年まで危険性が最も低い「レベル1」の病原体と、次に低い「レベル2」の一部までは扱えるとする内規を定めていた。しかし、人に感染した場合に重い病気を起こす恐れのある「レベル3」に分類されるブルセラ菌2株と鼻疽(びそ)菌1株を含め、約20株の病原体を内規違反で保管・培養などしていたという。

 菌の培養は、非常勤職員ら8人が、危険な病原体だと知らされずに当たっていた。環境への影響は確認されていないという。

 一方、同センターの幹部は01年に、こうした事実を把握し、産総研などに対して対処を求めたが、「何も知らずに試験した人への精神的なダメージが大きい」として事実を明らかにしてこなかった。

 また、レベル3とされた3株は、規制が厳しくなる、今年6月の改正感染症予防法の施行前に処分されたが、外部機関の調査で、病原性の低い「レベル1」の別のものだったことが確認されたとしている。

20071017  読売新聞)