東日本大震災後のバイオ施設被害調査に関する質問書と回答

 

 当センターでは、東日本大震災後に周辺地域に立地するバイオ施設に何らかの被害が発生したかどうかを把握する必要があると考えております。そこで、カルタヘナ法に関連する所管当局(文部科学省・厚生労働省・経済産業省・農林水産省・環境省)に以下の質問書を送付しました。

 その結果、文科省、厚労省、環境省から下記の内容(内容は3省とも同じ)の回答を受け取りました。回答では、「関係省庁が施設の被害状況を確認し、遺伝子組換え生物等の漏出がなかったことを確認して」いると述べていますが、当センターでは、各省庁が積極的に調査したのではなく、被害報告がなかったにすぎないと推察しております。被害の実態をご存知の方がおりましたら、当センターまでお知らせいただけたら幸いです。

 

質 問 書

 

文部科学省ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室長殿

 

バイオハザード予防市民センター

2011年7月27

 

311日に発生した、東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故を受けて、当センターは貴室に下記の6項目を質問します。

 

 

1.東北及び関東圏を中心に、遺伝子組み換えを行う貴室所管の全国の施設(以下、遺伝子組換え実験施設という)からのバイオハザード(実験動物の逃走等も含む)の発生および、遺伝子組換え実験施設の被災状況などを調査し実態を明らかにし公表する意図はありますか。

 

2.貴室所管の全国の遺伝子組換え実験施設の耐震診断を早急に行い公表する意図はありますか。

 

3.貴室所管の全国の遺伝子組換え実験施設内での実験器具の転倒防止、排気ダクトの固定などの地震対策を再度点検し公表する意図はありますか。

 

4.貴室所管の全国の遺伝子組換え実験施設におけるバックアップ電源確保の実態を調査し公表する意図はありますか。またバイオハザードは起きうるとの前提に立った予防原則に基づいて、施設・自治体・消防署・地域住民による避難訓練や情報の共有など災害防止策を早急に策定する意図はありますか。

 

5.現在、遺伝子組換え実験施設を監督する部署は各省に分散していますが、安全対策の面から全遺伝子組換え実験施設を規制・監督する、政府から独立した遺伝子組換え実験施設安全委員会(仮名)を創設する必要があると考えますか。

 

6.遺伝子組換え実験施設の安全対策に立地規制を盛り込む必要があると考えますか。

 


 

回答

 

バイオハザード予防市民センター御中

文部科学省

ライフサイエンス課

生命倫理・安全対策室

2011816

 

「バイオハザード予防市民センター」からのご質問に対する回答について

 

 「遺伝子組換え生物等の使用等の規則による生物の多様性の確保に関する法律」(平成15年法律弟97号。以下「法」という。)では、遺伝子組換え生物等の使用等による静物多様性影響を防止するため、その使用者は拡散防止措置を執ること、または使用規程について大臣の承認を得ること等を規定しています。

 本年3月11日に発生した東日本大震災の際には、なかでも拡散防止措置及び使用規程に基づく隔離措置が執られている被災地所在の施設等の管理者等に対し、関係省庁が施設の被災状況を確認し、遺伝子組換え生物等の漏出がなかったことを確認しています。

 なお、法では、施設等において破損その他の事故が発生し、適切な拡散防止措置を執ることができないとき、また承認された使用規程に従った使用ができない場合において生物多様性影響が生ずるおそれのあるときは、その使用者は、直ちに、その事故について応急の措置を執るとともに、事故の状況等を速やかに主務大臣に届け出ることを定めています。

 

2から6

 法では、遺伝子組換え生物等の特性及び使用等の様態に応じ、その使用者が拡散防止措置を執ることを規定しており、それらには施設等及び管理方法にかかる基準が含まれます。

 また、遺伝子組換え生物等の使用者は、カルタヘナ法の他、建築基準法等の法令を遵守する必要があります。

 カルタヘナ法の主務大臣は、遺伝子組換え生物等の使用目的等に応じて役割を分担し、法のもとでの統一的なルールにより拡散防止措置の確認等を行なっています。

 

 

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