わくちんトーク45 『インフルエンザと闘うな!』―ワクチン・タミフルより「ぬれマスク」―

農文協より出版    臼田篤伸 (代表幹事 インフルエンザ・風邪・がん問題研究者)


『インフルエンザと闘うな!』の重要性

 この315日に、農文協(農山漁村文化協会)より標記の新刊を上梓することが出来ました。バイオハザード予防市民センターの皆様からのご指導とご支援に、心より感謝を申し上げます。今日、病気や病原体と闘うことが目的化した医療によって、かえって病気と病人を増やし続けるという珍現象が起きています。巨大津波のように押し寄せる製薬会社と医療側の厖大な宣伝に、人々はなす術も無く飲み込まれているのが現状ではないでしょうか。これを何とか食い止めたいと思って、微力ながら“津波”から身を守る方法を提案いたします。以下にその要点を記します。

●闘いが目的化した医学―がんに見る闘いのむなしさ

 医学が目覚しい進歩を遂げていると言われながら、がんの死亡率が増え続けている奇妙な現象があります。拙著『抗がん剤は転移促進剤』(農文協)において、がん細胞との徹底抗戦がこのような事態を引き起こしていることを詳述しました。ひとたび、がんと診断されると“告知”なる恐怖のレッテルを貼られます。そして「早く治療をしないと、遠からず命がなくなりますよ」と医者から(おど)されされます。藁にもすがる思いで、早速がんの3大療法(手術、放射線、抗がん剤)のベルトコンベアーに乗せられます。その結果が、がんによる死亡率の上昇と言うのです。無論、助かる人もいます。それは、治療による副作用を生き抜いたがんを迎え撃つリンパ球免疫力が温存されている人に限ります。しかし多くの人々は、手駒が足りず、はっきり言って“討ち死に”するのです。

●医療が病をつくる―“おいしい”患者にならないために 

「おいしい患者」とは医者にとって「非常にありがたい患者さん」のことだそうです。つまり、文句も言わずに定期的にずっと通院し、黙って薬を飲み続け、検査を受け続けてくれる患者のことですと、『9割の病気は自分で治せる』(岡本裕、中経の文庫)にはこのように記されています。そして近年の専門医学会の手による成人病の基準値変更の異常さが述べられ、「おいしい患者」の代表格である糖尿病と高血圧症患者の激増のカラクリが明かされています。日本糖尿病学会は1995年、血糖値が126mg/dl以上を糖尿病とするといきなり決めました。それまでは140mg/dlまでは正常範囲だったのに、一夜にして数百万人の人が糖尿病にされてしまったのです。一方、日本高血圧症学会も、高血圧の基準値を2000年に160/95mmから140/90mmに引き下げました。これだけで一挙に高血圧の患者が、2000万人から5000万人に増えました。日本中、高血圧症だらけになったのです。

●インフルエンザの恐怖を煽る専門家集団

 今日のインフルエンザ研究の危険性を端的に証明しているのが、東大医科学研究所の河岡義裕教授らの「H5N1型強毒性鳥インフルエンザの遺伝子組み換えを行って、人から人への感染可能ウイルスの作成」の研究です。「テロの危険よりもメリット大きい」などといっていますが、実のところ、人類では当分の間起こりえない組み換えを先取りした非常に危険な「研究成果」です。これと関連して、浜六郎氏は2008年の大阪での講演で「鳥類は6000万年の歴史で16種のH抗原が作られたが、現代の人類は2030万年の歴史で、3種のHが作られたに過ぎない。よって、H5N1の人から人感染変異はほとんど起こりえない。ただし、これが起こる可能性があるとすれば遺伝子組み換え実験室からだ」と指摘する。

ワクチン・タミフルによる「医療ファシズム」の進行

 2000年ごろから始まった「インフルエンザは風邪じゃない」キャンペーンによって、有効性が否定されたはずのワクチンが復活を遂げました。それと同時にインフルエンザ新薬タミフルなどの投与が強力に推し進められています。「かかったなと思ったら早めに病院にかかり、診断キットで検査し、陽性ならばすぐタミフル投与」の医療が実行されています。「ワクチン接種とタミフル投与のために病院に動員することを目的とした政策」です。筆者はこれを「病院囲い込み政策」と名づけました。まさに「医療ファシズム」です。

最近の新聞報道によると、強毒型鳥インフルエンザの発生に備えて全国民にワクチン接種を行うための制度改正を目論んでいると言います。

●インフルエンザワクチンの異常使用量−ワクチンビジネスに支配される日本

 2009年の新型インフルエンザの発生に伴い、危機管理の名の下に、新型のワクチンが大量輸入され、ほとんど使われないまま、期限切れによる大量廃棄が行われました。その額は軽く1000億円を超えています。さらに、ワクチン備蓄用原液の期限切れに伴う補充予算に毎年110億円が計上されています。

●巧みに隠蔽されたタミフルの異常行動

 世界の7割以上を消費する日本で、当然の事ながら、タミフルによる重大な副作用が頻発しました。危機感を募らせたタミフル推進者達は、統計学的にどうやって「タミフルは危険」の有意差をなくせるか知恵を絞りました。データをどういじっても関連性を否定できませんから、次の驚くべき手段に出ました。@服用時期を無視した集計法―明瞭な関連データを否定するためのトリック。1日目の高い異常行動数と2日目の低いそれとを合体させ、タミフル薬害の有意性を打ち消しました。Aタミフル処方群のタミフル服用前の異常行動を、非タミフル群に編入しました。服用、非服用の2群に分けておこなわれた統計調査でしたが、服用群中の服用前の異常行動を探し出して、それを除外するならまだしも、非タミフル群にわざわざ編入する暴挙を行ったのです。日本感染症学会がインフルエンザ新薬の旗振り役を勤めています。

●発症メカニズムにかなうインフル対策を!

 筆者が、インフルエンザの症状に気づく時間帯の統計学的解析を行った結果は、朝起きた時が他の時間帯より有意に多いことが判明したのです。これを、インフルエンザ発症に関する「臼田の法則」と呼ぶことにしました。これによって、インフルは主に夜中の睡眠中に進行することが判明したのです。病原体対策オンリーのインフル政策の根本的見直しが今求められていると思います。

●ワクチン・新薬いらずのインフル克服法

☆初期消火の4本柱―紙面の都合で項目のみを列挙します。

@睡眠中のぬれマスクによる吸気加湿と口呼吸の防止

A交感神経の働きを適度に高めること

B上気道の運動と血流を高め局所の免疫力をアップする

C市販の風邪薬で初期消火のダメ押し―ただし、緊急避難的対応

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