わくちんトーク53. 子宮頸がんワクチンの危険露呈―→接種推奨の一時中止

      臼田篤伸  代表幹事 インフルエンザ・風邪・がん問題研究者

子宮頸がんワクチン接種について、614日に厚労省が一時的に接種の推奨を控える方針を決定。中止ではなく「一時中止」。今回はこの「問題ワクチン」の実体を報告します。なお、このワクチンについては、すでに本欄のNO37,46においても概要を報告しました。このワクチンの名称はヒューマン・パピローマ・ウイルスワクチン(略してHPVワクチン)。

●ワクチン接種の宿命=副作用事故

 このワクチンはがんを予防する唯一のワクチンとの触れ込みで、20117月に認可された。再三述べたように、ワクチンの宿命は体のバリアーを通らずに抗原が体内に直接侵入することにある。したがって体はそれを慌てて処理、排除しなければならず、急激な免疫反応を余儀なくされる。これが様々な副作用の原因となる。このワクチンもそういう一連の反応のほかに、体に激しい痛みを伴う厄介な副作用を持つのが特長だ。この痛みも異物排除のリンパ球による免疫反応が神経組織に強い刺激を与えた結果と見ることもできる。『薬のチェック』誌NO51において、浜六郎さんは「ワクチンによって救いうる死亡率の数倍から20倍超の重篤な害反応が既に報告されている。報告もれが多いと考えられる多発性硬化症や膠原病など遅発性の自己免疫疾患を考慮すると、重篤な害反応の頻度はさらに大きいと推測されます。したがって接種は中止すべきと考えます」と述べている。これでは子宮頸がんワクチンは、医療行為と言うより、むしろ傷害と言えるのではないか。

●子宮頸がん「急激増加」のごまかし

 同誌はさらに「急増のまやかし」との小見出しで解説を加えている。それによると、死亡統計を見ると「子宮頸がんも体がんも、戦後1980年(昭和55)頃までは急速に減少し、その後しばらく減少が止まり、1990年代から微増に転じていました。結局、子宮頸がんが増加していると叫ばれているのは、罹患率であり、これは検査をすればたくさん発見されるために、増加するのは当然だと考えられました。頸がん死亡率は、急激な増加とはとてもいえません」と述べ、「HPVワクチンによって死亡率を下げる可能性は低いのではないか」と結んでいる。

●子宮頸がんワクチンの妄動=寿命短い欧米賛美、欧米企業の餌食

 日本で販売されているHPVワクチンは2種類あり、グラクソ・スミスクライン社のサーバリックスは200910月に、MSD社のガーダシルは20117月に認可された。これらが認可された背景には、欧米からの貿易赤字の解消といった、およそ健康問題と関係ない事情による脅しが働いている。前者は、「予防効果がどのくらい続くのか、追加接種が必要か」は不明とした上で、半年に3回接種で、最長で6.4年位の効果持続で、非常に短くあいまいなものだ。「根拠の極めて乏しいワクチン」を裏付けている。同社は200910月当時のサーバリックス承認前後は、新型インフルワクチン購入契約で厚労省と交渉中であり、過剰ワクチンのわが国への押し売りと解約、サーバリックス承認要求とを巧みにセットにした。

 高度の科学技術をビジネスとしてそろばん勘定で割り切ることが絶対的に優先する経済社会、これが、白人社会が生み出した「欧米合理主義」と言える。よってインフルエンザにしろ、子宮頸がんにしろ、自然治癒対策など始めから頭にない。とにかく高い製品を売りつけることを目的とする欧米企業の餌食にされている。よって、安上がりで体にやさしい自然治癒対策は邪魔になるのだ。日本人の平均寿命のほうが、欧米人より長いことを忘れないことが大切だ。

●効果の薄い不要なワクチン

 東大放射線科准教授・中川恵一氏など、このワクチンの礼賛者は、二言目には欧米を引き合いに出し、「子宮頸がんは欧米では過去のがん」などと言っている。ワクチン接種を唱えながら、激痛などの副作用を多発させているにもかかわらず、旗振り役を買って出ている。彼は『がんの秘密』(朝日出版社)のなかで、「子宮頸がんウイルスにはいくつかの種類があり、今使われているワクチンで予防できるのは子宮頸がんの7割程度です」などと出任せ的な無責任なことを言っている。また、「既に感染したウイルスを取り除く効果はありません」と述べ、このワクチンがいかに無力ワクチンかを暴露している。「ワクチンを打った場合でも感染の可能性はゼロではないので、検診との二段構えが大切です」などと述べ、ワクチンの不確かな効果の逃げ道を作っている。ワクチン礼賛はするが、まず推し進めるべき自然治癒対策や検診率の向上の実を挙げられないことに何ら責任を取ろうとしない。ワクチン推進派の言動がまず問われなければならない。欧米の白人の体質・体格と日本人(東洋人)のそれとの違いは、一目見れば誰でもすぐ分るはずだ。効果、副作用も違って当然である。アメリカナイズされた学者たちのもっともらしい発言には要注意だ。

●桁違いの副作用被害者数−治験段階から多数報告

 『薬のチェック』誌NO51には、このワクチンの副作用被害のメカニズムが記されている。「HPVのウイルス様粒子そのものが、免疫発現の要ともいうべき樹状細胞に強力に結合して、炎症性サイトカインの誘導を増強します。こうして、もともと免疫系を強く賦活させるように製剤設計をしているため、それがもとで起きる急性・慢性の反応が臨床試験の段階から生じていました」と。そして、桁違いの重い副作用被害の実態を綴っている。たとえば、「多発性硬化症」という重い脊髄障害の発生率では、「この年齢層の女子(1218歳)では、1年間10万人に0.10.5人です。ところがガーダシルの臨床試験では、ガーダシルもしくはアルミニウムアジュバントを接種された約2万人中6人が6か月以内に多発性硬化症になったと報告されています。これを10万人が1年間に新たにかかる頻度に直すと60人という高頻度の発症であることがわかります」と。このほか、甲状腺機能異常、乾癬、関節炎、SLE(全身性エリテマトーデス)など枚挙にいとまがない。結果として、予防できるとされる子宮頸がん死亡率よりも、重篤な副作用被害のほうが、はるかに多い数字と言う。

●一部政党の手柄に利用される→被害者無視、無料化推進、半強制的接種の結果

 75日付『週間金曜日』の伊豆百合子さんの記事によると次のようだ。これらワクチンの接種に対して、2010年からは公費が投入されて、無料または低額となった。さらに今年4月からは、小学6年生から高校1年生の女子を対象とする定期接種として恒久化された。この間、松あきら前公明党副代表や三原じゅん子自民党参議院議員らが、国会の内外で強力に後押しをしたことが知られている。自治体も接種率向上に奔走した。その結果、今年3月末までに約328万人が接種を受けた。害反応の情報公開より、受けて当然の風潮を作り上げたとのことだ。

 だが、37日、衝撃的報道がされた。「中学入学お祝いワクチン」と奨励した杉並区で、中学生(14歳)が接種後「歩行障害」をはじめとする副反応に見舞われ、今も重篤な後遺症があることが、区議会で自民党系無所属議員によって取り上げられた。公明党議員の猛烈なヤジで演説が聞き取れないほどだったということも筆者は他の研究会で聞いた。池田利恵日野市市議会議員が事務局長となり、同月、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会を結成。疑わしいとする1968件の被害届けが公表されたのである。

●被害者の悲痛な叫びで推奨一時中止に追い込まれる

 615日付朝日新聞は、1面で「ワクチン接種、推奨せず」の見出し記事を掲載した。NHK朝のニュースでもトップで報道された。同ワクチン接種後に、長期的な痛みや痺れを訴える生徒が相次いでいるためである。厚労省は14日、一時的に接種の推奨を控える方針を決めた。“一時的”などの甘い対応では済まされないはずではないのか。女子児童生徒をこれ以上苦しめないで欲しい。“期待される効果“より“現実の副作用効果”がはるかに上回るものを継続することは、凶悪犯を野放しにするようなものだ。

 子宮頸がんワクチンは、個人が、がんの原因となるウイルス感染を防ぐのが目的だ。風疹などのように、集団としての感染の広がりを抑えるワクチンとは位置づけが異なる。このことが接種推奨の一時中止の判断に影響したという。これまで行われてきた無責任な接種推進は、個人の尊厳を冒すものといって過言ではない。今後全面中止が望ましいが、当面はワクチンを受けない選択がきちんとできる行政対応をすることだ。

 厚労省検討会の桃井真里子座長が、「ワクチン自体の安全性に大きな問題があるというわけではない。さらに調査し、より安心な情報を出せるようにしたい」と言っているように、被害者無視のワクチン行政の体質は変わっていない。

 「ワクチントーク全国」では2年前の研究会で、このワクチンの無用性について明らかにしている。この728(日)には、明大リバティータワーで今年のワクチントーク全国集会が開かれる。その詳細を次号で報告したい。

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